「また手取りが減った気がする」「給料は上がったはずなのに、なぜか楽にならない」
そう感じている人は多いのではないでしょうか。税率は大きく変わっていないのに、なぜか自由に使えるお金は減っていく。本記事では、その本当の理由を仕組みから整理します。
主犯は「所得税」ではなく「社会保険料」
所得税や住民税の税率は、この数十年で大きくは変わっていません。それなのに手取りが減る。主な原因は、社会保険料です。
健康保険、厚生年金、介護保険。これらの保険料は給与から自動的に天引きされます。つまり、自分で振り込む増税と違って、負担が増えても気づきにくいのです。料率は加入先や年度によって異なりますが、長期的に上がってきたことは事実です。
なぜ上がり続けるのか
理由は、人口の構造にあります。
2024年時点で、65歳以上は総人口の29.3%。現役世代(15〜64歳)およそ2人で、高齢者1人を支える計算です。年金・医療・介護を合わせた社会保障給付費は、年間約130兆円にのぼります。
支える側が減り、支えられる側が増えれば、一人あたりの負担が増えるのは数字の必然です。これは政治家個人の問題というより、人口構造の問題です。ただし、その構造に手を打ってこなかったことは、政治の問題でもあります。
「高齢者は得をしている」は本当か
「年金をもらっている高齢者は得だ」という見方があります。ですが、これも単純すぎます。
年金額は毎年見直されますが、物価の上昇を下回れば、実質的には目減りします。受け取る側も、払う側も、同じ制度の限界に近づいている。どちらか一方だけが得をしている、という話ではないのです。
これから何が変わるのか
政府が検討している方向は、大きく3つです。保険料率のさらなる引き上げ、給付水準の見直し、そして年金の受給開始年齢の繰り下げ推奨です。
つまり、どれも「現役の負担を増やすか、高齢者の受取を減らすか」という選択であり、痛みのない解決策は今のところ存在しません。
結局、私たちはどうすればいいのか
ここまでを整理すると、社会保険料を中心とした負担増は、短期間では変わらないということです。
であれば、ニュースに怒るだけで終わらせず、「この負担は当面続く」という前提で家計を設計するほうが現実的です。自分の給与明細で、何にいくら引かれているかを把握する。それが、対策の最初の一歩になります。
2026年6月時点の情報です。制度の最新の数値・詳細は、以下の公式資料でご確認ください。